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留学中にホームシックになる人は全く珍しくありません。私も同じでした、突然寝ているときに、目が覚めて私今どこにいるの?と怖くなったことや、ひたすらベッドの中に引きこもっていたりしたこともありました。そこで、私が経験したことや身の回りであったエピソードそして対処法をご紹介したいと思います。
留学中にホームシックを認めてみよう
涙、涙・・・。日本に帰りたい。家族に会いたい。友達に会いたい。恋人に会いたい。いつもの食事がしたい。よく行くお店に行きたい。懐かしい部屋で目を覚ましたい・・・。
なんで留学するなんて言っちゃったんだろう。
寂しい。とんでもなく寂しい。
ホームシックは多くの人に訪れます。性別、年齢問いません。
海外は初めてか、そうでないかも関係ありません。
男なのに、とか、この歳で、なんて恥じる必要はありません。
海外生活〇年経つのにというのも関係ありません。
あなたの状況次第でなるものです。
なので、これは単に「寂しい」という感情のより強い版ととらえてみるのはどうでしょう。
海外で暮らすということは、ふりだしに戻るのに似ています。
自分は外国人であるというひとつの不自由さを背負い、日本では問題なくこなしてきたことが出来ないなどの生きづらさと向き合っていくことになるのです。
私たちはなぜ敢えてその不自由な環境に飛び込むのでしょうか?
日本では学べないことを勉強するためかもしれませんし、留学ってかっこいいという憧れからかもしれません。親に仕向けられて、仕方なく行く人もいるかもしれません。
背景は様々でしょう。
日本国内でも、進学や就職などを機に親元を離れて生活するようになってホームシックになる話はよく聞きます。
日本国内でのホームシックの場合は帰省して心を落ち着かせるということが比較的しやすいです。しかし国外に出てしまったら、航空券は安くないですし、簡単に帰りづらくなります。
つまり、住み慣れた場所を離れれば、世界のどこにいてもホームシックになるのです。
いずれにせよ、せっかく得たチャンスです。
まずはどっぷり、ホームシックな気分に浸ってみましょう。
思う存分泣いてみましょう。
恥ずかしいくらいに泣いてみましょう。
何時間でも泣いてみましょう。
しばらく泣いていると気づきますが、人はずっと泣いていられないものです。
ひとしきり泣いたら、ちょっとすっきりしているかもしれません。
なんで泣いてたんだろうと思うかもしれません。
ホームシックは初めて行く国でなるとは限らない・いつから?
筆者がたった一人で海外に出たのは、イギリスが最初でした。
2カ月間のロンドン語学留学で、筆者は全くホームシックになりませんでした。
それは筆者と同じ時期に同じプログラムで来た、歳が近い日本人女性という心強い友人がいたということが大きいです。
彼女とは語学学校のクラス分けのテストの時に知り合いました。クラスは別でしたが、昼休みや放課後、休日は彼女と過ごしていました。
ヨーロッパ、中東、アジアのあちこちから来た多国籍な学生達と慣れない英語での交流も、彼女がいてくれたので心強かったですし、色んな出来事を彼女と共有してはふたりで笑い飛ばしていました。
毎日が楽しくて刺激的で、この時間がずっと続いたらいいのにと思っていました。
優しくてイケメンな中東の男の子に恋心を抱いていたのもあって、それはそれは楽しく過ごしていました。
せっかく仲良くなった友達が、ひとり、またひとりと国へ帰っていくのを見送るのが切なかったです。
この頃はまだ、筆者はホームシックにならないタイプなのかなと思っていました。
筆者のホームシックはその後訪れるのでした。
大きなもので二度あり、①フィンランドで生活していた頃と②ニュージーランドに引っ越して2年目の頃。
①フィンランドで生活していた頃
外国人は筆者だけという地域に住んでいました。
ずっと英語とフィンランド語ばかりを話して生活していたので、この頃の筆者の日本語は少しおかしくなっていました。
同じくらいの年齢の友達はしばらくいなかったので、
ホームステイをして常に周りに誰かいるけれど、
いつもどこか一人ぼっちのような気持ちでした。秋~冬で毎日曇り空か雪、1日の日照時間も2~3時間というもの寂しい雰囲気だったのもあり、より孤独を感じました。
死ぬほど退屈という気持ちを経験しました。なんでこんな長い期間の滞在(9カ月)を選んでしまったんだろう、早く日本に帰りたいと本気で思っていました。
新しい生活に慣れてきた頃に外国人の向けのフィンランド語講座に通い始めました。そこで日本人の留学生と出会ってから、閉鎖的に感じていた生活にやっと自分らしさを取り戻せたような気がしました。
②ニュージーランドに引っ越して2年目
※ニュージーランドには留学目的で来たわけではないので、あくまで参考としてお話します。
筆者は日本で出会ったキウイの彼と結婚するつもりでニュージーランドに来ました。
1ベッドルームにリビング・ダイニングがある小さな家で二人暮らしをしていました。ニュージーランドに来て大きくふたりのライフスタイルが変わってから、喧嘩ばかりの日々を送っていました。
当時の筆者はフルタイムで飲食店の仕事をしていて、家と職場の往復を繰り返す日々。家では彼と喧嘩ばかり。
結婚するつもりで付いてきたのに、金銭的な不安は大きいし、彼との関係は悪くなる一方で結婚どころじゃない・・・。将来が見えず、行き詰まりを感じる日々が続いていました。
この頃は泣いてばかりいました。ほぼ毎日、泣いていました。
そんな中、2週間の一時帰国をしてニュージーランドに戻ってきたら、ホームシックになってしまいました。
日本での2週間は新幹線のようにあっという間に過ぎました。
滞在中、毎日友達や以前の同僚と再会の予定をびっちり詰めて、肝心の家族と過ごす時間をあまり持っていなかったことに後悔したのです。
あんなに家族に会うのに楽しみにしていたのに、私としたことがなんて親不孝な事をしてしまったんだろう・・・。
なにもする気が起きず、仕事には行くものの、家ではぼーっとするか泣いてばかり。
ある日、大喧嘩になったのを機に、ふたりでカウンセリングに通うようになりました。ふたりだけでは冷静に話し合いが出来なくなっていたからです。第三者が必要でした。
カウンセリングを重ね、筆者は別居してみようと一大決心しました。
ひとりで飛び込んだフラット生活は、感動そのものでした。
ニュージーランドに来て以来初めて、自分だけの意志で行動を起こした達成感。
フラットメイトに恵まれ、自分だけの部屋・空間で、それまで忘れていた自分らしさを取り戻したように感じられました。日本で暮らしていた頃の明るくて呑気な自分を思い出しました。毎日笑顔でいられるようになりました。
自由を手に入れた気がしました。
結局その彼とはお別れしました。
それ以来、ダンスという大きな趣味ができ、それを通してどんどん友達ができました。
いつも彼の金魚のフン状態だったので、
「自分の友達」と呼べる人はほとんどいませんでした。
彼の友達と筆者は知り合い以上にはなれないと感じていました。自分と波長があう友達ができ、長い事どんよりしていた筆者の世界が輝きだしました。
毎日が楽しくて仕方なくなりました。
やっと自分の居場所を見つけました。
ホームシックとは、自分らしくいられないと感じる時に訪れるものだと筆者は感じています。
留学でホームシックになって帰国する人はいる?
います。筆者の直接の友達でそういう人はいなかったのですが、間接的にそういう話はたまに聞きます。
精神的にだいぶ追い詰められてしまった人達のようです。中にはカウンセラーさんからの指示で、すぐに日本に帰らされた話もあります。その方の場合は自分の意志での留学ではなかったということもあると思います。
留学期間が長いほど、壁にぶち当たらない人の話は聞いたことがありません。
自分の意志で来た人には踏ん張る力がありますが、親に言われるがままに来た人にはなかなか乗り越えられない壁があります。全員にあてはまる訳ではありませんが。
留学させればうちの子どもは変わるだろうという親の期待のもとの留学は、リスクが高いでしょう。
留学でホームシックになって母に会いたくなる
筆者は昔からお父さんっ子だと思っていましたが、
外国で生活していると不思議と母の方が恋しく感じられます。
なぜだか、母が心配している気持ちが距離を超えて感じられるのです。
今はLINEの家族のグループチャットでよく連絡を取っていますが、10年前に筆者がフィンランドに居た頃はまだスマートフォンが今ほど普及していなかった頃。
寂しさとやるせなさを一人で抱えきれなくなった時、母に電話をしてみようと思い立ったものの、何を言われるか不安がありました。
泣き言を言ったら、お母さんによって返ってくる言葉は違うでしょう。
「すぐに帰ってきなさい」「いつでも帰ってきていいんだよ」
「泣き言うんじゃない」「お金がもったいない」
「甘えるんじゃない」「もっと頑張りなさい」・・・。
母は筆者が幼いころから常に仕事で忙しく、母がどういう人なのか、あまり理解していませんでした。
それゆえにどういう言葉が返ってくるか予想できず、不安でした。
母の言葉によっては、自分が大きく傷つくこともあるのではないかという心配がありました。その気持ちを自分で対処できるのかわかりませんでした。
しかし、NOKIAの小さな携帯電話を握りしめてずっと悩んでいたら、
悩んでいるのにも飽き飽きしてきました。そうして半ば自暴自棄でかけました。
結果、
「ちゃんと頑張ってるわね。でも帰る場所はここにあるんだから、いつでも帰ってきていいんだからね。」
・・・でした。
安心しました。
あまり頻繁に連絡するのはお互いに良くないと筆者は考えたので、つらい時にだけ電話をしました。
次第に「筆者が電話をしてくる=つらい時」という印象になり、
電話に母が出るなり、「なに、どうしたの?なんかあったんでしょ。」と開口一番言われるようになりました。
これはいけないと思い、明るい話題も話すようになりました。
電話口でいつも、懐かしい母の声を聞きながら、母国語で話す安心感を噛み締めていました。
あなたが安心できるのなら、お母さんに連絡してみましょう。
多くて一週間に一度がいいかと思います。
あまりに頻繁だと、あなたの留学先での生活形成の妨げになる可能性があります。
お母さんにもお母さんの人生があります。
お互いを尊重しましょう。
留学してホームシックになる人はいつから?期間はどれくらい?
これは個人差があります。
前述したように、あなたが不安でいる状況に陥った時から始まり、不安な気持ちを解消できたら落ち着きます。
あなたの行動次第で変わります。
ホームシックになっても焦って解消する必要はありません。ただ、楽しい気持ちでいる時間が長い方が有意義に留学生活を送れます。
留学でホームシックになる人の割合
様々なアンケート結果をみるとばらつきがあるので、明言できません。
しかし筆者の体感ではほぼ全員なる印象です。
短期留学の場合はホームシックになる人が少ない気がしますが、
留学期間が長くなるとホームシックになる可能性が増します。
留学 ホームシック 帰りたいそんな時の対処法
筆者が実践した具体的な対処法はこちらの記事にまとめてあるので、ご覧ください。
『帰りたくなるほどつらい。留学中に私を支えた行動と名言達
留学中ホームシックにならないようにするには?
ホームシックにならないようにするには、安心できる環境をつくるのが一番です。
せっかく海外に来たのだからと無理に日本人の友達をつくるのを避ける必要はありません。
あなたが安心でき、現地での生活を楽しむ心の余裕を持つことが大切です。
ただし、日本人の輪にどっぷり浸かっているのではせっかくの国際交流の機会を無駄にしてしまうので、日本人以外の人々とも積極的に関わっていきましょう。
知らない場所でも何度でも通っていると段々安心できる場所へと変わっていきます。
よく行くお店、よく行く図書館、よく行く公園などなど、ここは居心地がいいなと思う場所を見つけたら、そこへ通ってみましょう。
筆者もフィンランドでよく行っていた図書館やパン屋さんがあり、時折ふと思い出しては懐かしくなります。
今となっては10年も前のことですが、いつかまたそこへ戻ったら、その当時の一生懸命にもがいていた自分に会えるような気がします。
あなたが直面しているホームシックは、ずっとは続きません。
今苦しくても、いずれは終わりがきます。